2016/06/08

フォルケホイスコーレをオススメする理由【No.1】

学びの本質に気付かせてくれる 「何のために学ぶのか?」

 
http://tokyohojskole.blogspot.com/2016/06/blog-post.html
 

 
そもそも、日本人に馴染みのない「フォルケホイスコーレ」という学校、
説明するのがとても難しいです。
なぜなら、日本にそうした概念の学校がないためです。

留学中に愛読していた『社会人のための北欧留学』(ビネバル出版さん)の中には
「フォルケホイスコーレは、フォルケホイスコーレ、としか言いようがありません」
という一節がありますがまさにその通り。
 
簡単に言うと、

 「資格も問われず試験もなく、17歳半以上の人なら誰でも入学OKの学校」 

です。

 (学校によってはコミュニケーションの必要性から、
 簡単な語学力が問われることもあります)

私は最初にこの学校の存在を知ったとき、
まさかその後 自分がこの学校に入学することになるとは思いもしませんでした。
「資格も試験もない」学校で、
一体何が学べるのか想像できなかったからです。

フォルケホイスコーレは、デンマークで約170年前にはじまり、
近年ではデンマーク国内に70校ほど存在しています。
(加えて、他の北欧諸国にも300校程)

ギャップイヤーとして 高校を卒業したばかりの悩める若者たちへ、
退職後の豊かな人生のため 学びと新たな友人との出会いを求めるご高齢の方々へ、
障がいも国境も超えて 人と人として向き合うための学びの場を求める人たちへ、
手工芸やアート等 高等教育に向けて才能の見極めと専門的な力をつけたい人たちへ

・・・などなど。

これらは一例に過ぎませんが、上記のように学校によってテーマが設定され、
その主旨に見合った科目が用意されています。
入学する前に学校を選び、その後自身でカリキュラムを組みます。

期間も数週間から3~4ヶ月程の長期とあり、
場所もデンマークの首都コペンハーゲン近郊や 
自然豊かな郊外、ドイツやスウェーデンに近い場所など様々です。

フォルケホイスコーレ(Folke Højskole)、英語でFolk High School、
直訳すると国民高等学校となりますが、
170年の歴史を経た今の私たちの感覚にあう訳としては、
国民大学や市民大学とする方がピンとくるかもしれません。

ホイスコーレ(ともよく略されます)は、

「生の学校 School for LIFE」

とも呼ばれるそうです。

グルントヴィという、デンマークの国父とも言うべき人物の提唱によってつくられた 
この学校の真の目的は、

「自分を知り 相手を知り 人生を学ぶこと」 

にあります。

試験や資格は、人生において いかほどの重要性を持っているでしょうか。
幸せな人生を構築するための手段であったものが、
いつのまにか目標や目的にすり替わってしまうことは過去の経験でよくありました。
他人の評価から一線を画して学ぶこと、その意義は ここにあります。
ホイスコーレという場を通じ、自分の目で、耳で、肌で、
そして心で得たこと全てが、私たち自身の学びとなります。

そのことに改めて気づいたとき、
私はデンマークを そしてホイスコーレを留学先に選びました。
その時から私の人生は大きく変わっていったように思います。

→→次号に続く