2022/02/06

フォルケホイスコーレをオススメする 10の理由【No.5】

 色々と挑戦することができる「自分の可能性にフタをしない」




最近、日本においても徐々に知られつつあるフォルケホイスコーレ。
学びの魅力は語り尽くせないほどたくさんあるのですが、
「静と動」両面がバランス良く用意されていました。

「静的な学び」とは
ゆったりとした静かな時間の中、豊かな自然に身を任せ、
のびのびと自分と社会に向き合うイメージ。

「動的な学び」とは
挑戦の敷居を限りなく低く設定し、とにかくやってみよう!と
そのチャレンジ精神と失敗を大いに歓迎するイメージです。

日本では、ホイスコーレの静的な学びにおける環境の充実度に力点を置いて
紹介される傾向が多いように感じていますが、
実は動的な学びの機会も多くありました。
(単に私がそういう機会を多く得てしまったのかもしれませんが。汗)

ここで一つの動画をご紹介します。


デンマークのフォルケホイスコーレ協会もサイト上でおすすめしている
フォルケホイスコーレの紹介動画です(日本語字幕有り)。
インフォグラフィックを用いて分かりやすく解説されています。

その中に「私たちが生徒に求めることは」として
以下のことが挙げられています。 
・積極性を身につけること
コンフォートゾーンを抜け出すこと
・互いを認め、協力し合うこと
・変化する術を身につけること
そして動画の最後には
「フォルケホイスコーレで学んだ後は、
世界にポジティブな変化をもたらすことを期待している」と締めくくられています。

今回のブログでは、動的な学びの内容として
「コンフォートゾーンを抜け出すこと」に注目していきます。

言い換えれば「勇気を持って挑戦できるか」ということになると思います。
「日本人は失敗を恐れすぎる。だから、英語で話そうとしない。
でも、それじゃあ成長しないんだよ」
北欧出身で長年英語教師として働いている方から
過去にこのような指摘を受けました。

我が身を振り返ると、
答えが一つである学びに対して、皆の前で失敗し叱責されるという
いわば負のサイクルの中で
すっかり失敗を恐れることが身に付いてしまい
その結果、発言でも行動でも「いかに失敗しないか」という判断軸で
多くの物事を選択してきたことに改めて気づかされます。
もし、仮にこれが日本人的な課題だとしたら、
フォルケホイスコーレでは
どのような学びの環境が用意されており、
私たちにどのような作用を及ぼす可能性があるでしょうか。

以前、ホイスコーレの教師として長年勤めている男性に
フォルケホイスコーレの学びについて伺った際、
このような話を聞かせてくれました。

「過去に日本人の女性が参加した期があったけど、
語学力の問題なのか、
ほとんど周囲とコミュニケーションを取らなくてね。
だけどある時、朝の集会(モーニングアセンブリー)で
日本のことを紹介するという課題が彼女に与えられたんだ。
はじめは戸惑っていたようだけれど、準備を重ねて、
無事に乗り越え、堂々と皆の前で発表したんだよ。
これこそがフォルケホイスコーレの学びなんだ」

おそらく外国籍の生徒は、
誰もが在籍中に一度は自国を紹介する機会を与えられるものと思います。
以下は私が実際に学校で経験した時の様子です。

チェコの子たちのダンス

手作り福笑いでHyggeタイム

新聞カブトをかぶって日本紹介(恥ずかしいけど振り切る)

フォルケホイスコーレでは、未経験でもいろんなことに挑戦できるよう、
様々な設備や授業が用意されており、
教師もその道のプロとして活躍している人たちが指導を行います。
(スポーツやアウトドアーなどは、近隣の施設に足を伸ばすことも)

初心者向けとは言え、その設備の充実たるや思わず目を見張りました。
入門編としてスモールステップで始めるのではなく、
セミプロでも満足できるほどの本格的な機器や素材を使い
「とりあえずやってみようか」と言わんばかりに
はじめから多くを説明することはせず、
実際に手や口などを動かしながら学び取っていくスタイルを多く目にしました。
(語学でも工芸でもスポーツでも)

何事も「はじめ」でつまずきがちな私は、
この大らかな教育の在り方に救われた気持ちになると同時に
正直、羨ましいなぁと思ってしまいます。

吹きガラスの工房(何度か火傷しました。泣)

はてさて、そのような中で意外な特技を発見しました。

私の場合は、まさかの「エアガン」でした。


もともとインドア派であったのに

気づけばアウトドアーの授業をメインで取ってしまい

いつも皆のお荷物状態であった私ですが、

どういうわけかスナイパー(?)の素質があったようなのです。

興味も向かなければ、その挑戦の敷居も高いので、

日本にいたのなら、間違いなくやってみようとすら思わなかったでしょう。


完璧ではありませんが、どうでしょうか?笑

さて、それでは帰国後、その特技は何かに活かされたのでしょうか?


もちろんそのようなことはなく、

今後もその力が発揮される機会もありそうにありません。

それは、「無駄な学び」であったのでしょうか?


キャリアのためのものではないので

経済的な観点で言えば取るに足らないものと思われるかもしれませんが、

新たな引き出しを自身の中に構築することにより
時に思いがけないビジネスアイデアの着想の起点となったり、

コミュニケーションの一つとして機能することもありそうです。


加えて、アマチュアとして実際に経験をすることで

物事の背景に思いを巡らせたり、

プロの仕事の偉大さを改めて感じることができるため、

日常の中における世界もこれまでとは異なった目線を持つことで
知的好奇心に満たされた楽しい世界へと変化しました。

そして、何より失敗を恐れずに挑戦するその「過程」こそが
何かを掴むという「結果」に勝る一番の学びになったのではないかと思います。


試験や資格のためではない学びは、

自分でも知らない新たな自分との出会いや
世界の見方が変わるきっかけとなるセレンディピティを生み出し、
じわじわと人生に彩りを与え、より一層、
人生を愉快で、愛おしいものに感じさせてくれました。


→→次号に続きます


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